【台風19号】北陸新幹線、年内に全面回復へ
台風19号の被害、日を追うにつれてその深刻さが明らかになってきています。
また、各種の報道を見ていると、水が引いて復旧への動きが始まったところもあれば、未だに冠水状態だったり道路が寸断されたりしていて被害状況の詳細さえつかめていないところも多数あるようです。
行政機関や警察・消防・自衛隊などの救いの手が、被害を受けたすべての場所・すべての人に等しく届くよう、祈って止みません。
さて、被害を受けた交通機関も、徐々に復旧が進んでいます。明日18日からは、JR中央本線の高尾-大月間やしなの鉄道の長野-妙高高原間が運転を再開します。
▼JR東日本の運行情報 https://traininfo.jreast.co.jp/train_info/service.aspx
▼しなの鉄道 https://www.shinanorailway.co.jp/
そして、長野新幹線車両センターが浸水して全体の1/3に当たる10編成が被災した北陸新幹線についても、いろいろと記事が出てきました。
-2019/10/17付 日刊工業新聞
新幹線、電気系統被害で使用困難 浸水車両、新規製造か一部利用へ
-2019/10/17付 共同通信
北陸新幹線の浸水車両、運転は困難 上越新幹線車両の一部転用も調整
-2019/10/17付 福井新聞
いずれの記事も、JRの正式発表ではなく「関係者や会社幹部への取材」がソースとなっているので、確定情報ではないことを前置きしておきます。
その上で、各記事の情報を総合するとー
■被災した車両の今後について
・車両センターの多くの設備も浸水していて、各車両へ通電しての検査ができない状態 ・そのまま車両を使うことは困難。台車など一部を再利用するか、廃車して新たに車両を作り直すかを今後検討も、「おそらく廃車の可能性が高い」 ・一部再利用の場合は補修場所、廃車の場合は解体や処分の方法を詰める必要 ・車両新製の場合も、各メーカーの生産余力がないので余力捻出の検討が必要 ■車両不足への対応策 ・上越新幹線用に投入している/今後投入予定のE7系を北陸新幹線へ転用 ・上越新幹線で現在運用しているE4系は、廃車予定を先延ばし ・2022年度末予定の上越新幹線全列車E7系化の実現時期に影響 |
前回の記事で推測したように、上越新幹線用のE7系を転用することで車両不足をまかなうようです。
ただ、10編成を失った一方で、現在4編成しかない上越新幹線用E7系を回しても、年末年始の繁忙期までの「従来同等の輸送力回復」は難しいかもしれません。
前回の記事ではE4系の急勾配対応編成の存在を紹介しましたが、どうやら満席時の登坂性能に難があるらしく、少なくても東京発の下り列車(碓氷峠は「上り」ますが…)には使えないとのこと。戦力としては期待薄です。
E2系のうち50Hz/60Hz対応の編成(N編成)は既に全車廃車されましたが、現存しているJ編成を急遽改造して「あさま」に投入…なんていう”荒技”が繰り出されるのでしょうか。
いずれにせよ、年末年始の繁忙期には相応の輸送力を確保しないといけません。
JRの指定席は1ヵ月前から発売されます。逆算すると、遅くとも11月下旬には年末年始の輸送計画を発表されるはず。
もちろん、その前に求められるのは、長野-上越妙高間の運転再開です。「少なくても今後1〜2週間」という運転再開時期の続報が待たれるところです。