【台風19号】しなの鉄道通学客を北陸新幹線で代替輸送
台風19号による長野県の被害、全国ニュースでは千曲川の決壊で大規模浸水が起こった長野市の様子に関心が集まっているように思えます。
しかし、千曲川流域ではほかにも多くのところで被害が発生したことを忘れてはいけません。
第三セクターのしなの鉄道は、現在もしなの鉄道線の上田-田中間で運転見合わせとなっています。
▼しなの鉄道 https://www.shinanorailway.co.jp/
なぜ不通になっているかというと、大屋-田中間で線路をオーバークロスする海野バイパスが、千曲川の増水によって崩落してしまったからです。
しなの鉄道のホームページで、現場の状況を画像付きで紹介しています。
▼しなの鉄道「台風による10月18日以降の列車運転計画について(写真あり)」
地図で見ると、線路と道路、それに千曲川の関係はこのようになっていて、
しなの鉄道が公開した画像と照らし合わせてみると、千曲川の護岸がかなりえぐられていることが分かります。運転再開は11月中旬めどと、かなりの時間が掛かるようです。
この区間は沿線の学校に通学する学生・生徒が多いということで、しなの鉄道では2つの代替ルートを確保。
1つは、代行バス。10月23日から運転再開までの間、通学定期の利用客向けに運行されます。
▼しなの鉄道「しなの鉄道線「田中駅-上田駅」間の代替輸送の実施について」
そしてもう1つは、並行する北陸新幹線での代替輸送です。
定期利用の学生・生徒、あすから新幹線代替輸送 不通のしなの鉄道上田―田中間
-2019/10/22付 信濃毎日新聞
信濃毎日新聞の記事によると、上田-田中間で乗降するか、この区間を通過する通学定期利用者に対して、北陸新幹線の軽井沢-佐久平-上田の区間に限り自由席の利用を認めるということです。
かつてのJR信越本線を経営分離したという経緯があるとはいえ、JRとは別会社となった路線の代替輸送を新幹線が担うというのは、記事の中で国土交通省のコメントとして紹介されているように、「前例がない」と思われます。
地元で利用している人にとっては不便な日々が続きますが、一日も早い復旧を祈るばかりです。