【新幹線ビフォー・アフター】新青森駅の場合

新幹線の開業は、地元の景色を一変させる効果があります。

それは、新幹線が停車する駅自体も例外ではありません。

ここでは、開業前後で見違えるような変化を遂げた駅をみていきます。

新青森駅の基礎知識

写真をご覧いただく前に、まず基礎知識から。

新青森駅は、2010年12月に八戸から東北新幹線が延伸開業し、新幹線のターミナル駅となりました。

その後、2016年3月に北海道新幹線が新函館北斗まで開業したため、現在は中間駅となっています。

 

駅名に「新」が付いていることからも分かるように、在来線のターミナル駅である青森駅からは約4km離れていて、青森市の中心部へ行くには在来線かバスに乗り換える必要があります。

新幹線も青森駅に乗り入れれば便利だったのですが、そうすると北海道方面へのスムーズな直通が難しくなります。既に北海道新幹線の建設計画があった中では、まっすぐ北へ進んで青函トンネルに飛び込めるルートとして、やむを得ない選択だったと思います。

新青森駅のアフター

では、まず現在の新青森駅から見ていきましょう。

中央部分がガラス張りの、立派な駅舎です(2018年9月撮影)。駅前にはバスやタクシーが発着できる駅前広場が整備されています。

北海道新幹線が開業する前は、ここで函館方面の特急「スーパー白鳥」「白鳥」と接続していました。在来線の函館直通最後の夏となった2015年7月に撮影したのが下の写真。

「スーパー白鳥」の789系とは少々顔が違いますが、これは北海道内で「スーパーホワイトアロー」などに使われていた785系を青函特急の増結用に改造した車両で、異色(移植?)の存在でした。

このように、新幹線-特急の乗換駅としても賑わった歴史を持つ新青森駅ですが、新幹線が開業する前はどのような姿だったのでしょうか。

新青森駅のビフォー〜2002年

新幹線開業から遡ること8年前、2002年11月に撮影した写真がこちらです。

なんと、森林地のかたわらにひっそりと佇む、ホーム1面だけの無人駅でした。

駅前に建つ、「東北新幹線 東京起点674k790m」鉄建公団の標柱が、なんか場違いではないかと思えるほどの静けさです。

駅前には、将来の完成予想イラストの看板も。

イメージとしては、実際に完成した新幹線駅に似ているような似てないような。

看板をよーく見ると、

新幹線の車両が200系。

2002年時点で東北新幹線の主力はすでにE2系に移っていたので、イラストはかなり前に描かれたのでしょう。ましてや、E5系・H5系はまだ影も形もない時代です。

駅ホームの駅名標。確かに新青森駅です。

新青森駅の補足

この駅は、新幹線によくある「新○○駅」とは少々違った経歴を持っています。

それは、将来の新幹線開業を前提に、在来線の駅として新たに設置されたことです。

しかも、駅が設置されたのは国鉄分割民営化の前、1986年11月。

それから実に24年もの間、先ほどご覧いただいた鉄建公団の標柱とともに、在来線の小さな駅として飛躍の時を待っていたのです。

 

 

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