【台風10号】臨時運転された「ひかり864号」
台風10号が明日(8月15日)に西日本へ最接近するという予報を受けて、JR西日本では早々と山陽新幹線のうち新大阪-小倉間を明日は終日運休させることを決定しました。
折しもお盆休みの真っ最中。15日はUターンの需要が見込まれていたところで、もし15日を運休にしてしまうと、きょう14日に予定を早めて移動する利用客が集中することが予想されます。
そこで、博多→新大阪に急遽運転されたのが、「ひかり864号」。
事前の案内では「16両編成でグリーン車以外は全車自由席」。ネットでの目撃情報では、700系(JR西日本のB編成)が使われたようです。
号数が「864」とかなり大きな数字なのは、山陽新幹線内で区間運転される「こだま」に使われている号数(上りの場合、850〜862)の次の数字(偶数)をあてはめたのでしょう。
では、どんなダイヤで運転されたのか。ひかり864号の時刻を、関連する列車の時刻と並べてみるとこのようになります。
急遽設定されたこの列車の時刻、細かく見ていくといろいろな発見があります。
【博多-広島間】
博多17:22発→小倉17:40着/17:41発までは、「のぞみ186号」が博多発で運転される日と同じ時刻です。
この「のぞみ186号」は臨時列車ですが、運転される日は比較的多く、8月の場合「2・4・6〜18・20〜23・25日」に運転されます。また、そのうち「2・6・7・20日」は博多発で運転、残りの日は広島発で運転されます。つまり、きょうは広島発の日です。
「ひかり864号」は、「のぞみ186号」が博多発の時に用意されたダイヤを、少なくても徳山までは使ったと思われます。
しかし、そのまま「”博多発”のぞみ186号」と同じダイヤで広島まで走ってしまうと、広島駅で「”広島発”のぞみ186号」とバッティングしてしまいます。なので、途中徳山に停車して、時間をずらしています。
【広島-岡山間】
ここから、いかにも臨時列車っぽい時刻設定になっていきます。
広島駅では11分も停車して、後から追いかけてきた「のぞみ56号」を先に発車させます。広島ですぐに発車しようとしても、到着1分後の18:34には「こだま752号」が発車していくので、待つしかありません。
結局、岡山までは「のぞみ56号」と「のぞみ58号」の間を走ることになります。
【岡山-新大阪間】
岡山では1分停車ですぐに発車。次は姫路に停車しますが、到着時刻は19:48(上の時刻表では非表示)。実に11分も停車して、その間に「のぞみ58号」と「みずほ608号」にまとめて抜かれます。
なんとも時間がもったいないダイヤですが、もし姫路に停めると、岡山を発車した時点で5分後ろを追いかけてくる「のぞみ58号」から逃げ切ることは不可能(新幹線の場合、1駅停車すると4〜5分余計にかかります)。かといって5〜6分間隔で走る「のぞみ58号」と「みずほ608号」の間を走るわけにもいかず、やむを得ず長時間停車で2本待避なのでしょう。
新大阪から先の利用客にも配慮?
こうして「ひかり864号」は20:34に新大阪到着。実は、きょうはJR東海も新大阪→東京の「のぞみ」を1本臨時に増発していて、それが新大阪20:46発の「のぞみ430号」です。
「のぞみ430号」も、「ひかり864号」と同様に普通車全車自由席で運転されたので、これら2本の列車を乗り継げば、山陽区間→東海道区間へ、指定席を予約していなくても移動が可能となったわけです(着席できたかどうかは分かりませんが…)。