【お盆期間】JR各社、利用状況を発表

8月15日を挟んだお盆休みの期間が終わりました。

すると、毎年恒例なのが、JR各社の「お盆期間のご利用状況」発表です。

内容は各社ほぼ共通で、今年で言えば8/9〜8/18の10日間について、

●新幹線・在来線別、主要路線別の輸送人員と、前年比

●上り・下りの利用客ピーク日

●大都市圏の近距離輸送状況

 

といった情報が載っています。

お盆休みや年末年始の鉄道利用は、足元の景気動向を示すデータとして重宝されます。ただ、今年のように、期間中に台風の直撃を食らうと、「前年比」の数字に影響が現れてしまい、必ずしも景気とは連動しない結果が出てしまうので注意が必要です。

また、今年は祝日の「山の日」が制定されてから初めて日曜日に重なりました。つまり、カレンダー上は土日月の3連休が生まれました。もともとベタに1週間休む勢にはあまり関係ないですが、カレンダー見合いで休みをとる人たちにとっては、恵まれた曜日配列となりました。これもJRの利用状況に影響を与えているかもしれません。

それでは、各社別に見ていきましょう。

JR北海道

発表資料(pdf)

<<新幹線=102%、在来線=93%>>

開業から時間が経って、利用客の減少が課題となっている北海道新幹線が前年比102%というのは明るいニュース。しかし、在来線の特急が前年から大きく数字を落としました。台風10号だけでなく、期間前半に低気圧の影響で運休列車が相次いだことが響いているそうです。

JR東日本

発表資料(pdf)

<<新幹線=100%、在来線=104%>>

東北新幹線の盛岡-八戸間利用客が前年比102%で、北海道新幹線と同じ数字。上越新幹線大宮-高崎間が99%と唯一前年比でマイナスとなっています。在来線が堅調なのは、曜日の並びの良さが近距離移動を増やしたのかも。

JR東海

発表資料(pdf)

<<新幹線=100%、在来線=101%>>

台風10号の影響で東海道新幹線は山陽直通系統を中心に運休が発生、在来線のダイヤにも影響が出ましたが、それでも前年並みの利用を確保。

新幹線の内訳で、「のぞみ」101%、「ひかり」101%に対して、「こだま」が96%(新横浜-小田原間の輸送量)と凹んでいるのが少々気になるところ。

JR西日本

発表資料

<<山陽新幹線=98%、北陸新幹線=100%、在来線=99%>>

山陽新幹線の前年比マイナスは、台風10号の影響で新大阪-小倉間をまるまる1日運休にしたのが間違いなく効いています。ただ、10日間のうち1日運休だと単純計算なら前年比90%となるところ、結局98%に踏みとどまっているので、運休した前後の日に利用客がかなり集中したことが想像できます。

JR四国

発表資料(pdf)

<<瀬戸大橋線=93%、主要3線区=99%>>

JR四国は新幹線がないので、瀬戸大橋線と「主要3線区」(予讃線・土讃線・高徳線)に分けた数字を発表しています。こちらも、台風10号の影響を受けているようです。瀬戸大橋線でマリンライナーが前年比89%というのは、経営の苦しいJR四国としてはかなり痛い結果。

JR九州

発表資料(pdf)

<<新幹線=101%、在来線=94%>>

JR九州でも台風10号による運休が発生しましたが、それでも新幹線は100%超え。

「乗車人員の最も多かった列車」のデータも載っていて、新幹線上りは14日(台風10号接近の前日)の「さくら550号」。定員546人に対して798人が乗車しています(乗車率146%)。「さくら550号」は8両編成でうち1両が半室グリーン車なので、それを勘案して定員以上の252人を7.5両で割ると、1両当たり34人が「座席以外の場所」に乗っていた計算です。車端部のデッキだけではなく、客室内の通路にもおそらくかなりの人が立っていたものと思われます。

JR九州のおまけ

JR九州は、これとは別にもう1つ、お盆期間の利用状況のリリースを出しています。

それは、「日韓高速船ビートル(福岡〜釜山航路)」の利用状況(発表資料)。

こちらも台風10号の影響で欠航が出ましたが、運航便数が前年比83.3%だったのに対し、利用人員は前年比53.4%。便数よりも、利用した人の減り方がかなり大きくなっています。

なんでこんなことになっているのか、理由はお察しの通り。利用人員前年比の内訳が、日本人67.1%、韓国人30.5%となっていることからも、昨今の日韓関係の悪化が影を落としていることが分かります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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