【新幹線ビフォー・アフター】新函館北斗駅の場合

きのうの記事で北海道新幹線を採り上げたので、「新幹線ビフォー・アフター」の北海道新幹線編へ。

ターゲットはもちろん、終点の新函館北斗駅です。

新函館北斗駅の基礎知識

この駅は新たに設置されたのではなく、もともとはJR函館本線の「渡島大野駅」でした。

渡島大野駅は、函館本線が七飯-大沼間で二手に分かれるうちの西寄りのルートに位置しています。勾配の関係で、主に上り列車が通っていました。

新幹線が在来線の函館駅に乗り入れれば非常に便利ですが、青森駅と同様、函館駅も海岸線に突き当たる形なので、将来札幌まで延伸した時には列車の方向を変えなければいけません。

スムーズな線形で新幹線を札幌まで繋げるためには函館駅乗り入れは難しく、結局、渡島大野駅が新幹線の駅として選ばれました。

2016年の新函館北斗駅

それでは、2016年3月の新幹線開業時の様子から。

開業翌日の2016年3月27日撮影。真新しい、立派な駅舎です。

駅舎の壁面、向かって左側には「JR新函館北斗駅」、右側には「北斗市観光交流センター」の文字が見えます。

駅舎入口の銘板。

あとでこれが再び出てきます。

新幹線ホームの駅名標。在来線とは異なるデザインです。

駅名標にJR会社ロゴが入っているのは、JR東海やJR西日本でも見られますが、単に「新幹線」を示すイラストが入っているのは目新しいです。

こちらは在来線ホームの駅名標。

JR北海道は、一時期下半分を緑色に塗った駅名標デザインを使っていましたが、新函館北斗駅に設置されたのは、それ以前から使われている”旧デザイン”のものです。

新函館北斗駅を出発する札幌行「スーパー北斗」キハ281系。

新幹線が札幌へ伸びるまでの間は、ここで在来線に乗り換えて北を目指すことになります。鉄道利用での東京-札幌間の所要時間は、「はやぶさ」と「スーパー北斗」の乗り換えで最速7時間44分(下り)/7時間51分(上り)(2019年8月現在)。飛行機利用には到底及びませんが、かつて青函連絡船だけで4時間近くかかっていたことを考えれば、かなり時間を詰めてきています。

2015年の新函館北斗(渡島大野)駅

では、開業1年前の夏はどんな様子だったでしょうか。2015年7月18日撮影。

開業前年には、既に駅舎の外観は完成していました。

「JR新函館北斗駅」の名前は見えますが、「北斗市観光交流センター」の文字はまだ付けられていません。

そして、大事なことは、この時点ではまだこの駅は「新函館北斗駅」ではありません。

駅舎の片隅に、「渡島大野駅」の入口がありました。完成している通路を一部使って、在来線のホームへ行けるようになっていました。

ここに既に設置されている「JR新函館北斗駅」の銘板は、先ほど紹介したのと同じものです。

在来線ホーム。その奥に、北口の建物が見えています(駅舎が建つ正面側は「南口」の扱い)。

在来線ホームにキハ40×2両編成が停車中。

現在、快速「はこだてライナー」が発着するホームも含めて、在来線ホームはこの時点でほぼ姿を現していました。

2010年の渡島大野駅

さらに遡って、新幹線開業6年前の夏、同じ場所へ行ったらどうだったでしょうか。

これが、2010年7月当時の渡島大野駅です。

この写真は、間違いではありません。確かに渡島大野駅、現在の新函館北斗駅がある場所です。

駅構内は広々としていますが、駅自体は上下ホーム1本ずつの無人駅です。

駅舎はどうだったかというと、

中央部の屋根が鋭角にとんがった平屋の駅舎です。駅舎の中には、新幹線建設工事の状況が紹介されていました。

駅前には、こんな広告塔も。

「新函館(仮称)駅 建設地」の文字が躍っています。

この「新函館(仮称)」が、のちのち地元で大揉めになるとは、当時は想像もしていませんでした。

ホーム上に映っているレンガ造りの建物は燃料庫で、歴史的価値があるとして、新函館北斗駅前の広場に移設保存されています。

ホームの駅名標。

当時撮影した写真がいっぱいあるので、Part2に続きます(明日公開予定)。

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