【新幹線ビフォー・アフター】鹿児島中央駅の場合

「新幹線ビフォー・アフター」、今回は九州新幹線鹿児島ルートの終点、鹿児島中央駅です。

鹿児島中央駅の基礎知識

鹿児島市の中心部には、国鉄〜JRの駅が2つありました。

一つは、北東寄りに位置する「鹿児島駅」。

もう一つは、南西寄りに位置する「西鹿児島駅」。

市の代表駅であり、かつ、「鹿児島本線」「日豊本線」の終点駅となっていたのは「鹿児島駅」の方ですが、列車運転の拠点は「西鹿児島駅」であり、こちらが事実上の「鹿児島のターミナル駅」でした。

九州新幹線鹿児島ルートの建設に当たっては、西鹿児島駅に新幹線駅を併設。2004年3月の部分開業時に、駅名を「鹿児島中央」に改称して現在に至っています。

2016年の鹿児島中央駅

では、最近の鹿児島中央駅の様子から。2016年3月、九州新幹線鹿児島ルート全線開業5周年の時に訪れました。

向かって左側の、黒いビル(アミュプラザ鹿児島プレミアム館)が駅の建物です。右側にあるアミュプラザ鹿児島本館と一体となって、一大ショッピングモールを形成しています。

プレミアム館のかたわらに、駅の入口があります。

駅前の道路を挟んだ反対側には、イオン鹿児島中央店が建っています。

新幹線ホームの駅名標。

九州新幹線の駅名標は、JR九州のコーポレートカラーである赤色が全く使われていません。これは新幹線を運行するJR5社の中では唯一です。

なお、隣の駅の「せんだい」は「仙台」ではなく「川内」。

新幹線ホームの発車案内。駅名標同様、こちらも青色主体のデザインです。

新幹線ホームから、海側を見るとプレミアム館の建物が立ちはだかっています。物理的に、この先新幹線の線路を延ばすことはできません(もっとも、すぐに海に突き当たってしまいますが)。

で、建物の手前にある架線柱の形を覚えておいてください。このあとすぐに再登場します。

2013年の鹿児島中央駅

時計の針を3年戻します。2013年1月当時の鹿児島中央駅はどんな様子だったでしょう。

駅舎の上に、さっき見た新幹線の架線柱。

つまり、アミュプラザ鹿児島プレミアム館が建っていたところは、この当時は大階段でした。

2011年の鹿児島中央駅

さらに2年前。2011年3月12日、九州新幹線鹿児島ルート全線開業日に、東京から「のぞみ」→「さくら」を乗り継いで到着した時の様子です。

駅前広場で、開業記念イベントを開催中。

一応、駅前はお祭りムードでしたが、この日、開業記念式典は中止となりました。理由は、

前日に東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)が発生したから。

被災地から遠い鹿児島でも、津波警報発令の影響で一部のJR線が運休するなど影響が出ていました。

鹿児島中央駅の「ざぼんラーメン」でラーメンを食べている途中、店内に流れているNHKラジオで福島第一原発が爆発したというニュースを聞いたのは、今でも忘れられません。

駅前のイオン、当時はダイエーでした。この店をはじめとして、九州から「ダイエー」の名前が消えたのは2015年のことです。

2004年の鹿児島中央駅

続いて、南国鹿児島の地に初めて新幹線が到達した日、新八代-鹿児島中央間が部分開業した2004年3月13日の様子。

当時、駅の外壁は赤色でした。

駅前広場では、開業記念イベント開催中。大階段に観客がびっしり座っているのが分かります。

新幹線ホームからは、桜島の姿がくっきり。現在は、先ほど見たようにここに建物が立ちはだかっているので、こういう眺望は得られません。

新幹線ホームの発車案内。「博多行」の「つばめ」号が案内されています。

あれ?新幹線は新八代までなのでは…と疑問に思ってしまう表示です。

確かに、列車としては博多←(在来線:リレーつばめ)→新八代←(新幹線:つばめ)→鹿児島中央という2本建てでした。しかし、駅の案内は、あくまで1本の列車という扱い。博多駅の下り列車も、同様に「鹿児島中央行」の「リレーつばめ」号として案内されていました。

2001年の西鹿児島駅

新幹線がやって来る3年前、2001年4月の西鹿児島駅です。

既に、この当時には赤い駅舎が姿を見せていました。ただし、駅名は「西鹿児島」。

要は、のちの新幹線ホームの路盤部分を先に作っていたのです。

駅前には「新八代・西鹿児島間の早期開業を」の看板が立っています。まだ新幹線は未来の話でした。

駅舎に掲げられた、九州新幹線の看板。

イラストに描かれた車両は、赤い「JR」ロゴが入っていたり、いかにも水戸岡デザインっぽく英字表記が散りばめられたりしていますが、実際に登場する800系とはちょっと違う姿です(885系+700系?)。これも、まだ見ぬ未来を意識させる「新幹線あるある」。

改札前の発車案内。当時の特急「つばめ」は、博多-西鹿児島間で3時間40〜50分程度を要していました。

現在は、途中熊本のみ停車の新幹線「みずほ」で博多-鹿児島中央間は最速1時間16分。時間短縮効果は絶大です。

1993年の西鹿児島駅

最後に、20世紀まで遡って、1993年9月の西鹿児島駅の駅舎を紹介します。

かつての西鹿児島駅は、とんがり屋根が特徴の駅舎でした。

現在、アミュプラザ鹿児島本館が建っているのはちょうどこの場所です。

 

 

コメントを残す