【非新幹線ネタ】京急線の踏切事故

今日発生した京急線神奈川新町駅付近での踏切事故。

1000形の先頭車両が、トラックに乗り上げて傾いた状態で停まっている映像は、かなりの衝撃度があります。被害に遭われた皆様には、謹んでお見舞い申し上げます。

さて、首都圏の地理に詳しくない人に簡単に説明すると、今回の事故があった場所を含む京急の品川-横浜間は、「JRと民鉄が2つの都市間でほぼ並行していてガチ勝負をしている区間」です。関西ではよく見掛ける風景ですが、首都圏ではあまり多くありません。

今回事故に遭った下り快特は、品川11:28発→横浜11:45着。所要時間17分で運賃は300円(紙のきっぷ)です。一方、並行するJR東海道線で同時間帯の電車は、品川11:27発→横浜11:43着。所要時間16分で運賃290円(同)。どちらも途中の停車駅は川崎(京急川崎)のみで、まさに互角の戦いを繰り広げています。

…なんていう背景説明をすると、2005年のJR福知山線事故のように「事業者間の激しい競争が事故を引き起こしたのでは」と思われるかもしれませんが、今回に限ればそれは違うようです。京急は確かに民鉄としては速い方の最高速度120km/h運転を行っていますが、これ自体は特に危険ではなく、かつ、今回保安関係のシステムも正常に動作したと伝えられています。

通過駅のホームを過ぎたところの踏切でトラックが立ち往生しているような状況では、残念ながら今回のような事故は避けられなかったと思われます。

京急といえば、最近では”蒲田要塞”と称される京急蒲田駅周辺の高架化が完成しました。

かつては箱根駅伝でランナーが足止めを食らったこともある第一京浜の踏切を含めて、この一帯の踏切はなくなったのですが、実はほかの区間には今でも踏切が多数あります。

例えば、下り電車で品川駅を発車してJRの線路群をオーバークロスすると、急カーブを切りながら差し掛かるのが八ツ山橋の踏切。

現在進められている京急品川駅のリニューアル工事では、この踏切も解消予定です。こうやって、少しずつ踏切の数は減ってはいるのですが、交差する道路側の事情もあり、なかなかゼロにはできないのが現状です。

今回の事故、不幸中の幸いなのは、上り(品川方面)の通過電車が同時刻に踏切を通過しなかったこと。もし上り快特が下り快特と同時に踏切に差し掛かっていたら、最悪、上下電車の多重衝突に陥っていた可能性がありました。

京急の発表では、復旧は明日(6日)の夕ラッシュ時目途とのこと。きょうの夕ラッシュ時間帯はJRが京浜東北線南行を増発して対応したそうですが、明日の朝ラッシュ時にはJRにも増発余力が乏しく、京急沿線から東京都心方面への移動はかなりの困難を伴うのではないでしょうか。

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