【台風15号】予約した新幹線が2本も運休食らった体験談

この週末に関東地方を襲った台風15号、千葉県を中心に大きな被害が出ています。

台風通過から4日以上が経過した9月13日午後時点でも、停電や断水、電話不通などで不便な生活を強いられている人がたくさんいます。一日も早い復旧をお祈りいたします。

 

さて、台風15号の接近が予想されていたことで、9月8日の東海道新幹線は終列車を繰り上げる、「計画運休」を行いました。

9月7日夜の時点でアナウンスされていたのは、

●東京-三島間は22時以降運転見合わせ

●それに先立ち、18時頃から運転本数減少

●新大阪発上り「のぞみ」東京行の最終列車は、19:23発の「のぞみ414号」

というもの。

このアナウンスを私はどこで聞いたかというと…

実は、この時、大阪にいたのです。

週末に大阪での2daysライブ観覧を予定していて、7日午前に大阪入り。1泊して、8日夜に帰京するスケジュールでした。

この「8日夜に帰京」が、新大阪発20時台だったので、新幹線の計画運休によって変更を余儀なくされる(直接的に言えば、「東京には帰れない」)ことに。

…ここから、遠く離れた台風の影響にほんろうされる時間が始まったのです。以下はそのドキュメント。

予約した列車その1:8日のぞみ428号→【運休】

最初に予約していたのは、8日夜の「のぞみ428号」(新大阪20:30発→東京23:02着)でした。

しかし、19時台で運転が終わってしまうとすれば、運転される可能性はありません。事実、エクスプレス予約のアプリでは、7日夜の段階で「のぞみ428号」の予約ができない状態になっていました。

そこで、ホテルで一連の運休情報を確認してから、8日の「のぞみ428号」からの予約変更を実行。

9日午前中には東京へ帰りたいのと、新大阪始発の列車なら混雑が比較的少ないだろうと踏んで、「のぞみ312号」(新大阪8:56発→東京11:30着)の指定席をとりました。

もちろん、同時に予定外だった8日夜の宿も手配。7日に泊まったのは淀屋橋のホテルでしたが、8日は新大阪駅前のホテルを予約。9日朝の最新の運行状況を見つつ、状況に応じて動きやすいと思ったからです。

 

翌8日。

14時頃に新大阪駅へ行ってみました。

すると、在来線(JR西日本)エリアの案内表示にこんな情報が。

最終列車が16:23発の「のぞみ388号」という案内。

いつの間にか、最終列車が3時間も繰り上がってる!

スマホでJR東海のホームページを直前までチェックしていましたが、こんな情報は載っていませんでした。

在来線改札を出て、改めて新幹線中央改札へ回ってみると…

改札前の掲示、赤ペンでサクッと「のぞみ388号 16:23 最終」と情報更新。

3時間も終列車を繰り上げるという大事な情報にしては、特に「要注目」といった感じでもなく、さらりと書かれていたのには驚きでした。

この件は世間的にも結構インパクトがあったらしく、これら2つの写真をTwitterで流したら、ともに1000件以上リツイートされました。

この時点で、エクスプレス予約のアプリでも、

「のぞみ388号」より後に新大阪を発車する東京行の予約は受け付けていませんでした。

なお、あとで聞いた話によると、実際には終列車は「のぞみ388号」ではありませんでした。

「のぞみ388号」の後に、普通車全車自由席の臨時「のぞみ270号」と「のぞみ272号」が運転され、さらにその後を走る「ひかり484号」を、当初は名古屋で運転打ち切り予定だったものを急遽東京行に変更したそうです。

 

本来ならば、東京行の列車に乗るはずだった20時半頃に再び新大阪駅へ。改札前の発車案内は、

すでに東京行は運転を終了し、上り列車は「のぞみ」2本と「こだま」4本のみが表示されています。

「のぞみ」のラスト2本、96号と98号は、もともと名古屋行の列車。それ以外の、山陽新幹線から東海道新幹線に直通する「のぞみ」はすべて新大阪で運転を打ち切っていました。

東京までは行かなくて名古屋まで…という人も、台風の影響を受けていたわけです。

予約した列車その2:9日のぞみ312号→【運休】

9日。

関東地方は未明から大荒れの天気でしたが、大阪はやや風は強いものの、好天の朝を迎えました。

ホテルのベッドで目を覚まして、リモコンでテレビをスイッチをオン。NHKで台風情報を見ていました。

すると…

「東海道新幹線は台風15号の影響で、一部列車に運休が出ています」

という情報。

おっと、「始発から平常運転」とはならなかったのか…と思い、その次に「まさか、予約した列車が?!」と。

嫌な予感。

スマホでJR東海の「運休列車案内」を見たところ、

予感は的中。一覧の中に、予約変更でせっかく指定席をとっていた、「のぞみ312号」が含まれていました。

この時点で、当初の「のぞみ428号」に続いて、2本目の運休が確定。

一覧の「のぞみ」の号数を見ると、すべて200番台・300番台です。つまり、東京側のダイヤ乱れに対応すべく、新大阪終着・新大阪始発の列車を選んで運休させたようです。この点で、予約変更の時の思惑は裏目に出たわけです。

運休となると、またもや予約変更が必要です。ただでさえビジネス客の多い月曜朝に、計画運休明けとあって混雑は必至。急いでエクスプレス予約のアプリで予約変更を試みます。しかし、空席があっても3人掛けの真ん中(要するにB席)ばかりとかで、希望の列車が見つかりません。

結局、変更前よりも約1時間遅い、「のぞみ122号」(新大阪9:53発→東京12:23着)をとりました。

予約した列車その3:9日のぞみ122号→のぞみ120号に変更

9時過ぎにホテルをチェックアウトし、徒歩で新大阪駅へ。

ホテルではとりあえず「のぞみ122号」を予約したものの、少しでも早い列車に空席があれば変更を…と、諦めずにアプリでひたすら空席検索。

すると、運良く「のぞみ120号」のA席(窓側)への変更に成功。20分ほどですが、東京着が早くなりました(と、この時点では思ってた)。

 

「のぞみ120号」は、定刻9:33に新大阪を発車。

しかし、車内放送で、東京は20〜30分の遅れが見込まれるとの案内。

いったいどんな状況になっているのか?と列車運行状況を見たところ…

なんと、小田原-東京の上り区間に、駅停車中のものも含めて、列車が19本!

これがどれだけ絶望的な状況なのか、ちょっと解説します。

東海道新幹線は、東京駅ですべての線路が行き止まりです。なので、東京駅へ着いた列車は、必ず折り返さなくていけません。

この折り返しの際に、列車によってはポイント通過で上下の線路を塞いでしまうことがあります。例えば、上り列車が下りの線路に直接繋がっているホームへ入線する場合は、駅の手前のポイントで下りの線路に転線します。逆に、下り列車が上りの線路に直接繋がっているホームから発車する場合は、上りの線路からポイントで下りの線路に転線します。

このような転線が行われている間は、上下の線路が塞がっているので、次の列車が東京駅のホームに入線したり、またホームから発車したりすることができません。このタイムロスもあって、東京駅を発着する列車の運転間隔は、最小でも3〜4分とっています。

仮に4分間隔としたら、小田原-東京間の19本の列車が全部東京駅で折り返すのには計算上1時間12分が必要です。しかし、小田原-東京間は通常運転なら約35分。実際には、19本にプラスして回送列車もあるので、この状態だと40分以上、東京着が遅れることは確実なわけです。

実際、熱海までは快調に走行していた「のぞみ120号」も、小田原通過の頃からなんとなくゆっくりとした走りとなり、新横浜駅手前ではついに信号待ちの停車。その後も、品川駅の手前でも何回か停車を繰り返した結果、

東京駅直前で39分遅れ。さらに信号待ちが加わり、結局、東京着は実に43分遅れの12:46となりました。

新横浜駅と品川駅はホームが2線あって、先行列車が停車中に次の列車が別のホームへ到着する「交互発着」も駆使していましたが、やはり東京駅の折り返しがネックとなって、遅れは拡大する一方でした。

今回の件で分かったこと

今回、台風による新幹線の計画運休に巻き込まれて分かったことがあります。

1.最新情報が最新情報ではない可能性がある

自然現象が相手なので、運転計画も逐次変わっていくのは当然。ただ、その変更がリアルタイムに広く告知されたか?といえば、今回に関してはNOです。8日の終列車3時間繰り上げは、知らずに駅へ来て驚いた人も多かったはず。

こればかりは、JR側にきちんと「本当の最新情報」を流してもらった上で、利用する側も、絶えずそれをチェックする心掛けが必要だと思います。

2.東海道新幹線内でダイヤ乱れが起こって列車を運休させる場合、東京-新大阪間運転の「のぞみ」が犠牲になる

山陽新幹線側への影響を最小限に留めるためには、このような措置はやむを得ないでしょう。「のぞみ」の号数でいえば、200〜400番台が該当します。

3.東京駅の「弱点」を予め理解して利用すべし

山陽新幹線へスルーできる新大阪駅と違って、東京駅は必ず列車折り返しが必要なゆえに、時に列車が詰まってしまってダイヤ乱れの原因になります。特に上り列車に乗る時は要注意でしょう。

なお、新大阪駅も、車両基地が東京寄りにあるので、東京-新大阪間運転の列車が車両基地に回送される場合は新大阪駅で折り返し運転となります。新大阪駅のホームは20〜27番線の8線と東京駅に比べて余裕があるものの、ダイヤが乱れた時は上下列車とも新大阪駅のホームが満線で待たされることがあります。

このように、大阪で新幹線の運行状況に振り回されたわけですが、改めて振り返ると、

「車内で長時間缶詰状態にならなくて良かったなあ」

という心境。

仮に8日夜の新幹線が運転されていても、東京に着いてから在来線や私鉄が動いていない事態に直面したわけで、計画運休はやむを得なかったと思います。

 

 

 

 

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