【新語・流行語大賞】「計画運休」2年連続でノミネート

きのう(11月6日)、「『現代用語の基礎知識』選 2019ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート語が発表されました。

「現代用語の基礎知識」選 2019ユーキャン新語・流行語大賞 ノミネート語発表!

-2019/11/06付 ユーキャン プレスリリース

全30個のノミネート語の中から12月2日に「トップテン」が選ばれるわけですが、ノミネート語の中に、鉄道関連では「計画運休」が入りました。

改めて、「計画運休」とは

改めておさらいすると、「計画運休」とは、「鉄道事業者が、台風接近などでダイヤが大幅に乱れることが確実であるとされる場合に、該当する時間帯の列車運転を予めとりやめること」です。

強風や大雨など、列車の運転に支障が出る時には鉄道事業者は運転を見合わせます。通常は、実際に風が強くなったり雨量が増えたりしたことを、風速計や雨量計が検知してから列車を止めます。このような状況が短時間で終わればよいのですが、それが長時間にわたったり、また、列車の運転本数が多い時間帯に差し掛かったりすると、途中の区間で立ち往生する列車が増えてしまい、多数の乗客が列車内に閉じ込められる可能性があります。

こういった混乱を避けるために、ここ数年は「計画運休」の手法が採られるようになってきました。

(2019/09/08@JR新大阪駅)

(2019/09/08@JR新大阪駅)

2019年の計画運休

今年は夏以降に、いずれも台風接近の影響で新幹線を巻き込んだ計画運休が相次ぎました。

■8月15日=台風10号の影響:山陽新幹線など

■9月8日=台風15号の影響:東海道新幹線、首都圏の鉄道各線など

■10月12日=台風19号の影響:東海道新幹線、東北・上越・北陸・山形・秋田新幹線、首都圏・東北地方の鉄道各線など

このうち、台風15号の時は翌9日に首都圏の鉄道各線で運転再開が遅れたことなどをきっかけに、主要駅で入場待ちの長蛇の列ができるなど大混乱したのが記憶に新しいところです。

今後も計画運休は行われると思いますが、実際にどのような影響が起こるかは曜日並びや被害の状況など多くの要素に左右されるので、こればかりは実績を積み上げてなるべく混乱が起こらないような対応を工夫するほかないでしょう。

これまでの「新語・流行語大賞」での鉄道関係ワード

実は、「計画運休」が「新語・流行語大賞」にノミネートされたのは昨年(2018年)に続き2回目です。

昨年は、台風24号が本州を縦断した9月30日に、東海道新幹線をはじめ首都圏・近畿圏の鉄道各線が計画運休を行いました。この時が、首都圏で大規模に計画運休を行った初めてのケースなので、昨年の「新語・流行語大賞」にノミネートされました。

さらに遡ると、1987年の新語部門・銀賞がなんと「JR」でした。

この年の4月に国鉄が分割民営化されましたが、「東日本旅客鉄道株式会社」「東海旅客鉄道株式会社」といった正式な会社名称とは別に、グループの総称としての「JR」、そして各会社に「JR東日本」「JR東海」といった略称を設けたのは、新会社のイメージアップに大きく貢献しました。

また、これ以降、会社や団体の略称を「J○」という「J+アルファベット1字」で表す例が増えました。現在ではおなじみの「JT」(日本たばこ)や「JA」(農協)は、「JR」以降に本格的に使われ始めた略称です。

「新語・流行語大賞」には、その後鉄道関係のワードとして2011年にはトップテンに「帰宅難民」、2015年にはノミネート語として「北陸新幹線」が入っています。「帰宅難民」は、東日本大震災の時に首都圏を中心に鉄道各路線が長時間運転を見合わせ、週末の帰宅ラッシュを直撃したため多くの通勤客が駅などで一夜を明かす事態に陥ったことを指しています。

鉄道は国民生活に繋がりの深い重要インフラなので、もっと多くノミネートされてもおかしくないのですが、意外に採用例は少ないようです。

新幹線絡みだけでも、1987年にJR東海のCMで話題になった「シンデレラ・エクスプレス」(東京発新大阪行の最終「ひかり」)、1992年に東海道新幹線で運転が開始された「のぞみ」やそれに伴う「名古屋飛ばし」(下り「のぞみ301号」がJR東海本社のある名古屋駅を通過するダイヤだったことで地元で騒動になった)など、今になって振り返ってみれば入っていてもおかしくないのですが…。

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